夏ドラマって良作が少ない印象だったけど今期は違ったね～
ドラマ
空白を満たしなさい
NHK総合 土曜日夜10:00（放映終了）
原作小説は未読。
死んだ人間がよみがえり（復生者と呼ばれた）、周りを困惑させ混乱させてしまう。
復生者を優遇する措置をとる政府に対して差別を許すなというデモまで起きる。
復生者の一人となった主役のサラリーマン（柄本佑）の妻を演じた鈴木杏がすごかった。
ミステリ仕立てだったけれど、終わってみたらミステリではなかった。
オールドルーキー
TBSテレビ 日曜日夜9:00
日本代表としても活躍した元Jリーガーがスポーツマネジメントの会社で働き、成長していく話。
主演は綾野剛で、サッカー未経験にもかかわらず予告に使われた代表戦での決勝ゴールとなったボレーシュートは美しかった。
社長秘書が知ったようなことを口にするのがちょいちょいうざい。
「アスリートファースト」を掲げながら社長が容易にそのモットーを踏みにじるところが現実的だなと思ったりもした。
本当のアスリートが出演したりもしていてそこもよかった。
お仕事ドラマとして楽しかった。来週最終回。
ユニコーンに乗って
TBSテレビ 火曜日夜10:00
家庭の経済的事情で教育機会に恵まれなかった20代の女性（永野芽郁）がもぐりこんだ大学の教室で出会った大学生らと学習アプリを作成・運営する会社を興す。
スタートアップ企業が融資を受けるコンテストに応募したり、アプリ体験会を開いたりする。しかし人材を確保するためにeスポーツに挑戦するのはちょっと現実的な感じがしない。
中途入社の元銀行マンの西島秀俊の過去があいまいなままなんだけど、これは来週の最終回で明らかになるのかな。
永野芽郁の妹役のセリフが棒読みだとか、
インフルエンサー役のひっかきまわし具合が中途半端とか、
杉野洋亮がいつも永野芽郁の言動に乱されまくりで仕事しているようにみえないとか、
大手IT企業のCEOの広末涼子の独特なファッションがなんかすごいとか（ラス前で永野芽郁も似た格好をさせられててちょっと笑った）、
いろいろ面白いところも多かった。
六本木クラス
テレビ朝日 木曜日夜9:00
NETFLIXで話題になった韓国ドラマ「梨泰院クラス」の日本版リメイク。
暴力事件で高校を中退となった竹内涼真が少年院やら街中やらで出会った仲間と飲食店を経営し、宿敵長屋ホールディングスと対決する。
長屋ホールディングスには竹内涼真の意中の相手が働いていて、構図がロミオとジュリエット。そう考えるとそれほど目新しいストーリーではないことがわかる。
このドラマの最大の見どころはぼんくら2代目の早乙女太一だったが、先週長屋ホールディングスから切られてしまった。
まだまだがんばってほしいところだけど、復活するのかな。
石子と羽男－そんなコトで訴えます？
TBSテレビ 金曜日夜10:00
有村架純と中村倫也ダブル主演のリーガルドラマ。
どちらも好きな俳優で今期一番おもしろいと思う。
些細な事件を担当することになる二人が勤める法律事務所だがすべてに事件に裏があり、毎回脚本のうまさにうならされる。
一応メインキャストの恋愛もからんでいるのだが、別になくても十分おもしろい。
競争の番人
フジテレビ 月曜日夜9:00
新川帆立の原作小説は未読。新川帆立原作小説2期連続でドラマ化した。
本作は公正取引委員会を舞台にしたドラマ。
第1話から3回にわたって描かれた温泉町でのカルテルの話がすごくおもしろかった。以降は1話完結。
このドラマの見どころは小池栄子。頼りになる先輩を魅力的に演じる。検察庁の立ち入り検査に対して現場責任者をにらみつけて舌打ちするシーンが出色だった。
主人公を演じる坂口健太郎の過去がだんだん明らかになってきていて、いよいよドラマは佳境。
遺留捜査
テレビ朝日 木曜日夜8:00
木曜日夜8時のドラマ 木曜ミステリーはこのドラマで終了とのこと。「科捜研の女」は別のドラマ枠にお引越しです。
木曜日は2時間ドラマ漬けである。
主人公の糸村刑事は遺留品を糸口に事件を解決に導く人なので、バディを組む栗山千明はもう「そんなものはどうでもいい」とは言わなくなった。
そりゃ学習するわね。
警視庁強行犯係 樋口顕Season2
テレビ東京 金曜日夜8:00
原作は『焦眉』以外既読。
主演は内藤剛志で、正直捜査一課長と同じじゃね？と思いながら見ている。
ドラマは冒頭の樋口家での何気ないやりとりが事件解決の糸口になるというもの。
原作の樋口顕は周りからの自分に対する評価と自己評価の乖離に悩む実直な刑事なのだ。
初恋の悪魔
日本テレビ 土曜日夜10:00
坂元裕二脚本ドラマ。
捜査権をもたない警察官＆職員による「捜査」ミステリ。
捜査中に転落死した兄を持つ警察署職員（総務：仲野太賀）、人の目を見ない経理部の柄本佑、生安刑事の松岡茉優、刑事課刑事の林遣都がメインで、彼らが所属する警察署の署長に伊藤英明。この伊藤英明が一番怖い。
あと瀬戸カトリーヌの男社会に必死でアジャストしてきたはずなのに、ナチュラルボーンさばさばをよそおっているのに本人がそれに気づかないという感じも怖い。
仲野太賀の兄の死の真相と松岡茉優の精神病などだんだん物語はその本質を明らかにしてきている。
この先を知るのが楽しみなような怖いような。
魔法のリノベ
フジテレビ 月曜日夜10:00
波瑠と間宮祥太朗ダブル主演の工務店舞台の住宅のリフォームを主題にしたお仕事ドラマ。原作コミックは未読。
大手建設会社での人間関係のトラブルから退職した波瑠演じる主人公が間宮祥太朗のいるまるふく工務店に転職してくる。社長は間宮祥太朗の父（遠藤憲一）で設計士が弟（𠮷野北人）。
家族経営の小さな工務店だが、波瑠が加わってからリフォームは成功続きだ。波瑠の影響で間宮祥太朗も成長を見せている。
このドラマはキャラクターがみな立っていていい。
波瑠の前職の上司の原田泰造のパワハラ・ワンマンっぷりもすごいし、波瑠の元彼のダメダメっぷりと、波瑠のあとに付き合った後輩女性社員の別な意味の怖さがあるので、まるふく工務店の人たちのおもしろさが際立つ。
物語は原田泰造ターンになってきていて、ここからどんなドラマになるのか楽しみ。
家庭教師のトラコ
日本テレビ 水曜日夜10:00
大衆食堂を経営するシングルマザーが育てている小学生男子の中学受験、新聞記者の母とおもちゃメーカーに勤める父を持つ幼児の小学校受験、大手銀行の役員の後妻となった女性の連れ子の大学受験に合わせて橋本愛が3様の家庭教師を演じる。
これからは橋本愛の生い立ちが物語のメインになりそう。
NICE FLIGHT
テレビ朝日 金曜日夜11:15
羽田空港に勤める人々のお仕事（ちょっと）と恋愛模様（たくさん）。
中村アン（航空管制官役）はけっこうこういう何考えているかわからない役が多いなあ。
ドラマはよくあるタイプのお仕事ドラマで、劇伴やら展開やらが本当にテンプレートでもあるのかといったような感じ。
拾われた男
NHKプレミアム 日曜日夜10:00
原作は俳優 松尾諭による同名エッセイ。未読。
松尾諭がどのようにして俳優になったかを描く。話は実話をもとにしているが、個人名や団体名の大部分が仮名と冒頭のナレーションで語られる。
でも東京乾電池の人々や、運転手を務めていた井川遥は本人が演じていたりする。
各話の冒頭ではエッセイはまだ連載中で担当編集者と原作者のやり取りがあり、そこでは本人の松尾諭が出演している。その場面はきまってドラマ収録の休憩時間なので、たとえば「ひよっこ」の収録時のときは有村架純もちょこっと出演した。
うそのようで本当だという松尾諭の半生がテンポよく描かれている。
みどころは妻となった伊藤沙莉と兄の草彅剛。
仲野太賀と柄本佑大活躍の今期ドラマだったな～
