物語消費しすぎ地獄へようこそ

何かしら作られたもの、作られてしまうもの=物語を消費せずに一日を終われない。

月のふりかえり 2025年2月~コミック・小説

コミック

環と周

現代、明治、戦後すぐ、江戸時代の環と周の話。
江戸時代の巻でどうしてこの話が語られるのかということがわかる。
ただただ涙。尊い話。

狼の娘(1)~(2)

  • 作者:小玉ユキ
  • 出版社・レーベル: 小学館フラワーコミックス 電子版
  • 評価:★★★★★

主人公の女子高校生は陸上部で走高跳に打ち込んでおり、大学もスポーツ推薦で進もうとしていた。
自分の身体能力が人並み外れていたことを気にしつつも、自然とかけていたリミッターを外すことも人知れずしてきた。
ある日の晩家の近所で白い狼と出会い、のちにワイン農場を経営する青年とも出会い、自分に流れる血について知ることになる。

これはもう気になっているので全巻読もうと思う。

モブ子の恋(21)

  • 作者:田村茜
  • 出版社・レーベル: コアミックスゼノンコミックス電子版
  • 評価:★★★☆☆

田中さんの勤務先の役所の、幼馴染に長いこと片思いをしてきた同僚の話が中心。
田中さんの恋人の入江くんはプロポーズを考えているようで、指環のサイズを内緒で調べようとするけれど...

どいつもこいつも指環のサイズを本人に知られずに調べようとするエピソードを描くのはどうしてなのか。宝石店に行ってリングスケールを使わないと正確なサイズなど測れないのに。

疲れた人に夜食を届ける出前店(3)

  • 作者:中山有香里
  • 出版社・レーベル: KADOKAWA
  • 評価:★★★★☆

とても手軽なレシピとそこまでして食べないよ的な本格的レシピがだいたい交互に出てくる。
それにしても出前をされる人のなんと疲れていることよ。まず寝なよ、と言いたい。

いつかのいつか(1)

  • 作者:六多いくみ
  • 出版社・レーベル:秋田書店 A.L.C. DX 電子版
  • 評価:★★★☆

地味な見た目で引っ込み思案の主人公の女性が同じマンションに住むメイクアップアーティストと知り合い、メイクを通して変わっていく話。
無料だったから読んだけど、夢女子満載な内容で、この先はもう読まないかな。

瓜を破る(11)

  • 作者:板倉梓
  • 出版社・レーベル: 芳文社ラバココミックス
  • 評価:★★★★☆

主人公カップルは女性の方が収入が多く、男性がそれに引け目を感じていて途中ぎくしゃくしているが、男性が自分の気持ちを打ち明けたことでお互いの理解が深まる。
ぎくしゃくしたまま自然消滅するということはよくあることで、そのルートをとらなくてよかった。

百鬼夜行抄(21)

  • 作者:今市子
  • 出版社・レーベル: 朝日コミック文庫
  • 評価:★★★☆☆

水脈おばさんの親族の話のつづき。前巻では律が白血病の親族の子に骨髄提供をしたが、その子はまだ目覚めない。
母親も入院することになって、下の子が律の家に少しの間滞在することになる。
この子が律のおじいさんと同じような匂いをさせているとかで飯島家にいる妖魔たちがざわつく。

水脈おばさんは怨霊となっているのか。不穏でしかない。その中で尾白尾黒の使い魔の様子だけが癒し。
坂元さんちは幸せになれるのかな。

小説・エッセイ

愛についてのデッサン 野呂邦暢作品集

父の稼業を継いで古書店を営むことになった26歳の青年を主人公とした連作短編を含む短編集。
ミステリ風味のある掌編もあったが、どれも気持ちよく終わるわけでもないところが好きではなかった。また古臭い感じも否めない。

生皮 あるセクシャルハラスメントの光景

カルチャーセンターの小説講座に通っていた若い女性がその講師をセクハラで告発する。
その騒動が様々な人に波及する。

現実でも女性アナウンサーの「上納」問題やら人気タレントの引退があったりして、それに合わせて文庫化したのかと思ったほどタイミングのよい刊行だと思った。
被害者が自分の受けたことを告発するのはまだ救いはあるが、被害者なのに被害者であることを自覚しないケースもあるということも本書では扱っていて、そっちももっと掘ってほしかった。

傲慢と善良

結婚が決まったあと、ほどなくして女性のほうが失踪する。
なぜいなくなったのか。前半は男性が女性を探す過程を男性の側から描き、後半は女性の失踪の真相が女性の側から語られる。

二人は「婚活」の末に出会い、交際するようになったカップルだが、それまでの二人は対照的だ。
男性はこれまで恋人がいなかったことがなかったという人物で、女性は交際経験がない。
男性にはよくつるんでいる女友達が何人かいて、彼女たちが実にたちが悪い。

誰がいいとか悪いとかといった話ではないのだけど、この女友達たちだけは悪いなーと思った。
映像化されるそうで、うーんそれは見ないかな。