物語消費しすぎ地獄へようこそ

何かしら作られたもの、作られてしまうもの=物語を消費せずに一日を終われない。

月のふりかえり 2024年12月~コミック・小説

コミック

運命の人に出会う話 (2)~(5)

  • 作者:あなしん
  • 出版社・レーベル:講談社デザートコミックス 電子版
  • 評価:★★★★☆

イケメン歯科大生と女子大生の恋愛は順調だけれど、イケメンの兄(有名eスポーツ選手)と男性アレルギーの美容師の関係とか、女子大生の親友とバーテンダーの関係、人がつくった食べ物が食べられない幼馴染の女子大生への思いとか周りの人間関係も描かれるけれど、ガソリンスタンドでバイトする男子だけが微妙におミソになっていてかわいそうだ。

きらきら、青い(2)

  • 作者:ito
  • 出版社・レーベル: トゥーヴァージンズ路草コミックス 電子版
  • 評価:★★★★☆

カラー版コミックス。
色がとてもきれい。
高校生の恋愛の終わりが描かれる。
小泉今日子の「あなたに会えてよかった」が脳内に流れた。

思い、思われ、ふり、ふられ(1)~(12)

  • 作者:咲坂伊緒
  • 出版社・レーベル: 集英社マーガレットコミックスDIGITAL 電子版
  • 評価:★★★★★

高校生の恋愛もよう。
主人公は好きかな?と思ったらガンガン行くタイプの女の子(朱里)と、好きになってくれる男の子が現れてほしいと思う女の子(由奈)の二人。
どちらも同じマンションに住み、同じ高校に通う。
前者には同い年の弟・理央がおり、後者には同い年の幼馴染・和臣がいる。
由奈が自己肯定感が低かったのが、理央の相談にのっていくうちにどんどん変わっていく。クールと思われた朱里も由奈が変わることで成長を見せる。

でも一番驚くのが和臣の成長。男子は自意識に目覚めるのが遅いというが、目覚めたあとの伸びがすごい。まあ、女子も目覚めが早いだけで成長スピードは一緒なんだけどね。
これは、オールタイムベスト10に入ったかな。

Shrink~精神科医ヨワイ~ (14)

「アスリートとメンタル」編。

大学のバレーボール部に所属する女子大学生がメンタル不調に陥る。
精神科医臨床心理士、バレー部の顧問がチームとなって選手を支えていくさまを描く。

おそらく数年前まではアスリートは鋼のメンタルを持っていなくては一流になれないと、選手本人だけがプレッシャーに打ち勝つことを期待されていたのだと思うのだけれど、そんなことはないのだという風潮に変わってきているのだという。
だた、現実はまだまだ志半ばでつぶれてしまう選手も多いのだろうと思った。

このコミックはNHKで実写ドラマになった。主役は中村倫也。とてもよかったので、未見の方はぜひ。

BUTTER! (1)

社交ダンス部に所属することになってしまった高校1年生の話。
タイトルの「BUTTER」は、ぐるぐる回りすぎてバターになってしまいそうと言った主人公のセリフから。
社交ダンスを馬鹿にするダンスパートナーの男子が今後どんどん変わるのだろうね。

かまくらBAKE猫倶楽部(1)

古都鎌倉には猫にまつわる古くからの噂があるーー鎌倉のどこかにある「化猫倶楽部(ばけねこくらぶ)」に行けば、いなくなった猫に会えると。マヤとガクトが働く「かまくら猫倶楽部」には、今日もまた、その噂を頼りに人が迷いこみ、物語を語り出す。それが、怪異を呼び寄せるとも知らずに…。

表紙買いなのだが、いまひとつ刺さらなかった。

小説・エッセイ

自転しながら公転する

主人公の30代の女性は、母親の更年期障害をきっかけとしたうつ病悪化のため父親に請われて東京のアパレル会社を退職して茨城県の実家に戻り、近所のアウトレットモールのアパレル店で契約社員として働いている。そこで出会った回転寿司店でアルバイトをしている年下の男性と交際するようになる。

非正規で働くこと、不安定な職場で働く男性との交際、一進一退する家族の体調、アパレル店のマーチャンダイザーからのセクハラ、店長によるパワハラなど、様々な問題をはらみながら物語はつづられる。話し手は主人公だけでなく、母親になったりもするので、それぞれ抱えている問題の別の側面が見えてくる。

ただ、ずるいなーと思ったのはプロローグとエピローグで、本編の後の主人公とその交際相手の事情が駆け足で語られるのだが、その内容が濃いわりにあらすじのように描かれてしまうところ。実際この二つに対する賛否があったらしく、わたしも最初は不要かなーとも思ったけど、本編の後のことをきっと知りたいと思ったのでやっぱり必要だったのだと思った。

恥ずかしながら山本文緒さんの小説は初めて読んだ。この小説がとてもよかったので、『プラナリア (文春文庫)』と『恋愛中毒 (角川文庫)』を買った。

主婦と演芸

ものまね芸人の清水ミチコさんによるエッセイ集。雑誌『TVブロス』で連載していた2006年1月7日号から2013年1月5日号までの原稿をまとめたもの。
約10年から20年も前の話なので、当代團十郎が結婚したというニュースに著者が驚いていたのを2024年に読むと「その人、後々人間国宝発言をして傷害事件を起こすんですよ、人ってわからないものですよね」と言いたくなったり、亡くなった方との交流にしんみりしたりした。
豪華すぎるカラオケ大会がうらやましくて、透明人間になってその場にいたいと思った。

52ヘルツのクジラたち

  • 作者:町田その子
  • 出版社・レーベル:中公文庫 kindle
  • 評価:★★★★☆

2021年本屋大賞受賞作。
大分の漁港近くの古い家に移住してきた30代の女性が虐待を受けていると思われる少年と出会う。

情報が少しずつ開示されていくというスタイルのストーリー展開で、なぜ主人公が大分に移住してきたのか、心の中で呼びかける「アンさん」とはどういう人物なのかとか、わかることが増えていくことで物語の主題がだんだん見えてくる。

物語としてはちゃんと終わっているのだけれど、少年の母親のその後とか気になることがそのまま。自分の子どもをないがしろにする大人は不幸になっても仕方ないということなのか(わたしはそう思ってしまうのだけど)、主人公の人生が好転していく兆しを見せる一方で他の人はどうでもいいのかなとは思った。
主人公の友だちは本当にいい人だったのだけれど、実は裏の顔があるんじゃないかと気が気じゃなかった。ミステリ小説に感化されすぎだとは思う。