2か月放置してしまった。
本屋で新刊平積みなっていたのを気になってkindle版を購入して読んだ。
全国のお祭りにからめたいささか官能めいた短編集。
1話目が強烈でそれ以外の印象は普通。
1話目の田舎の農家にありそうなクソ of クソな価値観で世界を狭められた悲しい女性の話。これはきつい。
冲方丁がペンネームを使って書いた官能小説集。
これも本屋で面陳されていた。ポップには
「官能小説で泣いたのは初めてでした」
...いや泣けなかったよ、全然。
1話目が一番刺激的だったな。
- 分類:小説
- 作者:ニック・カーウェイ
- 題名:エンジェルメーカー
- 出版社・レーベル:ハヤカワポケットミステリ kindle版
- 評価:★★★☆☆
登場人物の中でも元スパイのおばあさん、イーディー・バニスターがかっこいい。
主人公ジョーとそのとてもやっかいな家族の話。
ジョーのおばあさんがつくった機械のせいで世界が崩壊の淵にたたされる。
やや!これはセカイ系ではないのか?
本屋大賞受賞作で映画も公開されて、たぶん今売れている小説のひとつ。
家族にめぐまれない少女が家出をして一時ある男の元で暮らしていたが、結局みつかって保護される。
当事者にしかわからない事情は周りにはどう説明しても理解してもらえない。そういう状況におかれた少女と男両方のサイドからの述懐が胸をしめつけた。
構成がうまいし心にうったえるものが多いけれど、繰り返して読みたいかと聞かれたら、私はノーかな。
調律師を主人公にした小説といえば近年『羊と鋼の森 (文春文庫)』が話題になった。
本書はそれよりも少々オカルトめいた部分もある話だった。
主人公は元ピアニストで現在は調律師である男性で、ピアニストだったころには音に色がついて見えるという共感覚があったが、交通事故に遭ってからは音ににおいがつくという共感覚に変化したという。
彼が様々な調律の依頼をとおして変化していく話。東北大震災をからめていて、悲しくも美しい小説だった。
おでん屋のおかみの主人公の占い師の力がより強く出てきた感じがする。
出てくる料理はとてもおいしそうだけど、レシピを紹介されてもつくる気にはならないのよね、私は(料理するのが好きじゃない)。
あと、こういういつ行っても気持ちよく食事ができるお店があるといいなとはちょっと思うけど、常連扱いされるのが苦手だという少々面倒くさい性格の私にはやはりそういう店はハードルが高いのだ。