物語消費しすぎ地獄へようこそ

何かしら作られたもの、作られてしまうもの=物語を消費せずに一日を終われない。

上村五十鈴『雑貨店とある』高野雀『しょうもないのうりょく』

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  • 作者:上村五十鈴
  • 題名:雑貨店とある(1)(2)
  • 出版社・レーベル:芳文社コミックス

とある町にある「とある」は喫茶併設の雑貨店で、妙に背が高くてガタイのいい男性が経営していて、男子学生がバイトをしています。
そこにやってくる屈託をかかえたお客さんや、商品を卸す業者や作家と「とある」のお話で、大きな事件なんかは起きない。でも、みんな平気な顔して日常を送っているけど、何かしらもやもやすることとかがあるよね、と寂しくおもったり、登場する喫茶のメニューがおいしそうでちょっとうらやましかったり、登場人物の問題が解決したときにはほっとしたりもする。まだ2巻までしか出ていないので、追いつくのも容易だと思います。

上村五十鈴のコミックスはほかには『星の案内人 1巻 (芳文社コミックス)』(1)~(4)があります。
こちらもいいです。おじいさんが個人で経営するプラネタリウムに迷い込むようにしてやってくる人々の話。

  • 作者:高野雀
  • 題名:しょうもないのうりょく
  • 出版社・レーベル:竹書房バンブーコミックス

人間に「異能」があるという世界の話。
「異能」といってもたとえば
「書類を崩さず積むことができる」
とか
「ポスターをまっすぐ貼ることができる」
とか
「さっきまでいた場所だけがわかる」
「カロリーがわかる」
「物の重さが見ただけでわかる」
「猫にめちゃくちゃ好かれる」
といったちょっとお得な感じというものから
「言ってほしいことを相手に言わせる」
「言ってほしいことがわかる」
というこの異能をもった人同士の会話はどうなるんだろうというのもあります。異能は診断をうけることができて、それを仕事に生かしたり、会社によって管理され各々の異能を生かした部署に人員が配置されるということもやっている(ちょっとディストピア風ですね)。

でも、この世界に生きる主人公のOL(書類を崩さず積むことができるというのともう一つ特殊な異能をもつ)はわりとのほほんと暮らしている。会社の同僚もいい人ばかりなんだけど、有能な社長の無能な弟が会社をひっかきまわしたり、特殊な異能を持ったコンサルの人間がやってきて、とか、多少の波乱があったりも。全般的にはのほほんとした生活を描いています。

開発部の藤原さんという長髪イケメン(この人の異能は超絶特殊)と主人公の女性のラブ的な交流もあり、続きがすごく楽しみなのであります。1巻が出たところです。

変わった能力がモチーフになっているマンガといえば『うちのクラスの女子がヤバい(1) (少年マガジンエッジコミックス)』(1)~(3)というのもありました。これも女子にだけ変な能力がつくという話です。1巻だけ読んだけど続きを読もうとおもっていたのでした。