月のふりかえり 10月~小説編
10月もあっという間だった。
還暦間際で元ガン患者、離婚して独り身の男、ネイサンが独白体で書いた小説の体で書かれた小説。
あとがきによるとポール・オースターとしては群像劇は珍しいらしい。この話はドラマにしたら「This Is Us」にみたいに面白いものになりそう。原作にないエピソードも入れられそうだし。
楽しく読めたのだが、このあと何を読むかなかなか決められなかった。たぶんちょっとできすぎた話に思えたからだろう。
大震災による原発事故の後に鎖国政策をとるようになった日本が舞台。義郎は108歳、ひ孫の無名は8歳。あれから日本では若いものほど体が弱く、年寄が丈夫で労働を担っていた。
いわゆるディストピア小説で、異様な日本の様子を描いていて近未来を予感させるが、だから何かといって大きな事件も起こることもなく、いきなり7年後が描かれ、無名が献灯使(≒遣唐使)になるかならないかというところで物語は終わる。もう少し物語が動いていたらと思う。
同時収録「韋駄天どこまでも」「不死の島」「彼岸」「動物たちのバベル」
私の期待には副わなかった。