- 分類:エッセイ
- 作者:マーティ・O・レイニー
- 題名:内向型を強みにする
- 評価:★★★★★
子どものころから積極性が足りないと言われ続けた。通信簿にずっとそう書かれていて、本当に自分が嫌だった。
- なんで大勢の人といっしょにいると気づまりで疲れるのか?
- 電話する前に過度に緊張し、うまく用件を伝えるためになぜ自分の中でリハーサルをしなきゃいけないのか?
- 一人だとほっとした気分になるのはなんで?
- 感謝している人は?と聞かれて誰のことも思い浮かばないのはどうして?
わたしたちは子どものときから外交的で社交的な人であれ、積極的になりなさいと言われ続け、内向的な性格はまるで悪かのように教育されてきた。
しかし、それは間違いで、内向型であることを恥に思う必要はないという。外向型も内向型もどちらも強みと弱みがあるのだ。社会は内向型人間も必要としている。
本書はこれまで単に心理学的な見地から分けられていた外向型・内向型という気質が、思考時の神経伝達物質の経路の違いのせいでもあることがわかったということにも言及していて、単なるハウツーとは一線を画していると思う。
自分が内向型か調べるための自己診断テストも載っていて、それによるとわたしは完全な内向型だ。
休日はゆっくり家で本やコミックを読んだり、アニメや映画、ドラマを見て過ごすのが好きだ。会社の飲み会のあと帰り道解放された気分になる。
こういう内向型の人間が人付き合いや、パートナー、子どもとの関係を保つための方法について説く。うちの親は内向型を責めたりしなかった。今思えばとてもありがたかったなあ。
パーティでの立ち回り方については本当に実践的で、この本を読んでから30人が集まった部署の飲み会があったのだが、びっくりするぐらい本書に書いてあったことが起こった。ちょっと笑ってしまったぐらい。内向型を自覚している人はみんな本書を読んでくれたら、飲み会でもなんでわたしばかりが話題をふらなきゃいけないんだと思わなくてもすむようになると思う。
内向型の人はエネルギーを休息することで充填するが、心地よいところでじっとしているばかりではいけない、外のエネルギーを得て成長することで多面性を失わないようにしないと、今後あうであろう困難な場面や障害を乗り越えられない。
もっと早く出会いたかった本である。
女性はエストロゲンが減少する更年期は、内向型の脳のエネルギー源であるアセチルコリンの減少に拍車をかけるので記憶障害を起こすことがあるという。これはこわいね。
- 出版社/メーカー: パンローリング株式会社
- 発売日: 2013/06/16
- メディア: Kindle版
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