物語消費しすぎ地獄へようこそ

何かしら作られたもの、作られてしまうもの=物語を消費せずに一日を終われない。

J亭スピンオフ企画20 白酒・一之輔 大手町二人会(配信視聴)

配信視聴のいいところは、飲み食い自由で変な笑い声をたてても振り返る人がいないところですね。
悪いところは集中が途切れがちなところかな。家で見てると誘惑が多い。

柳亭市童「浮世根問」

柳亭市童さんは柳亭市馬落語協会会長のお弟子さんで歌がうまいそうです(白酒さんがこのあとのまくらで言っていた)。市馬さんが「ようやくまともな弟子が入ってきた」と言っていたとか。
歯切れがいい口調でリズムもよかったです。

桃月庵白酒時そば

出囃子が先日亡くなった川柳川柳師匠のものでした。白酒さんはクールに見えてこういうところがいいですね。
時そばの全然ダメなそば屋の呼び声がへなへなで笑ってしまう。温かいしっぽくそばを頼んだのに冷たいそばがでてきて「ゾクゾク」すると文句を言うと、その理由に驚愕。SNSに書いたら炎上必至。

春風亭一之輔「妾馬」

「妾馬」の八五郎はほんとにいいやつだ。もう兄ちゃんとして最高の人物。江戸っ子らしく深く考えずにしゃべるんだけど腹に一物もない、憎めないやつ。
「母親に孫を見せてやってくれ」とおつるに頼むところでいつもじーんとしてしまう。
でも、この人が田中三太夫の部下になったところを想像すると、田中氏には気の毒だけど笑ってしまう。

春風亭一之輔「にらみ返し」

ちょっと権太楼師匠みを感じた。
薪屋のあとにやってくる小僧さんへの対応が斬新。にらまない。どこ見てるかわからない。全然動かない。これは怖い。なんか怖い。
ラジオでは成立しない噺。

桃月庵白酒「幾代餅」

大ネタでもさらりと軽く演じるのがこの人のいいところ。古今亭の流儀というが、それ以上のものがあると思う。
清三が吉原から帰ってきてから腑抜けのように「さんがつ さんがつ」と口にしたかと思えば「おい、三月!」と呼ばれてイケボを出すところとか、コメディ面を全面に出した人情噺(と言われる)になっていてとてもよかった。
泣かせる噺じゃないもんねー