5代目春風亭柳朝は江戸っ子を絵にかいたような落語家だったのだな~
照れがあって、見栄坊で、口は悪くても腹には一物もなくて。
そんな人だからこそ、その体験することはまるで落語で、「粗忽の釘」の章は本当にまんま落語で笑ってしまった。
小沢昭一さんの解説にはこの小説にたいして読者がみな感じたことが書いてあった。
構成がすばらしくよくて、落語辞典としても読めるし、昭和の落語史としても一級品で、春風亭柳朝が大好きになる。
春風亭柳朝は自身落語家としても大活躍したが、病院・医者嫌いから短命だった。もっとやりたかったと思っていただろうけど、その育てた弟子たちや孫弟子たちが今落語界で活躍しているのを考えると、いい落語家人生だったのだろうと思う。
あと、おかみさんがとてもすてきだ。ザ・落語家の女房という感じ。
- 作者: 吉川潮
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 1999/03
- メディア: 文庫
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