物語消費しすぎ地獄へようこそ

何かしら作られたもの、作られてしまうもの=物語を消費せずに一日を終われない。

まとめて読了(コミック編)

  • 分類:コミック

椿町ロンリープラネット (1)~(12)

  • 作者:やまもり三香
  • 出版社・レーベル:集英社マーガレットコミックス (Kindle)
  • 評価:★★★★☆(9巻からは★★★★★)

設定が『夢みる太陽』と似ている。
女子高校生が男の暮らす家で寝起きするというもの。

『夢みる太陽』は家出して、男ばかりのシェアハウスに住むという設定に対して、
こちらは知人の借金の保証人になったせいで遠洋漁業に出るしかなくなった父が高校生の娘を一人でアパートに住まわせておくことはできないと、知り合いのつてで住み込みの家政婦として時代小説家の木曳野暁の家に送り込むという設定だ。

常識ある親ならば木曳野暁の年齢や性格、娘が住むことになる住居環境などをちゃんと見てから住み込みを決めるはずなんだが、今すぐにでもアパートを引き払わなければいけないという状況だからという理由だけで、知り合いが信頼できる人だということに賭けるようにして、30手前の見た目イケメンの独身男性が一人で暮らす家に17歳の女子高校生の娘を住まわせてしまうのである。

危険だ。実に危うい。
そして実に現実離れしている。

ちょっと侍っぽい感じの木曳野暁が節度ある大人だったからよかったものの、お父さん脇が甘すぎますわ。
後になって借金問題に緊急性がなくなってから改めて娘が住む家の主の正体を知って、すでに恋仲になった二人にNoを唱えるなんて、それは勝手がすぎるというもんです。

さて、まだまだ続くこのコミック。
若い男性陣がみな無自覚ジゴロってところがたまらなく愛しいです。
そりゃ、キュン死にしますわよ。

拝み屋横丁顛末記 (4)

成仏できない強烈なキャラの霊が出てきた。
ますます現拝み屋さんの気配が希薄に。
もうあの爺さん3人が拝み屋やればいいじゃん、と思う。
霊感ゼロの正太郎の存在意義に納得。

じけんじゃけん (2)~(3)

百合子先輩がかわいくて仕方ないです。

喰う寝るふたり住むふたり (1)~(5)

10年同棲しているのんちゃんとリツコのお話。
同じ出来事を、男ののんちゃんと女のリツコそれぞれの視点で必ず2話ずつ読めるというのは、新鮮でとても楽しい。

現実はなかなかパートナーや恋人の側の事情や気持ちをあまさず知るなんてことは不可能なので、このコミックの中の二人はうらやましいな~と思った。

もちろんこの二人は、外野からいつ結婚するのだの、余計なことは言われ通しで、読んでいる私も二人のタイミングだというのはわかっちゃいるが、それはたしかに子どもができる以外にはないのではと思いながら読み進んだ。それで終盤、そうかそのタイミングがあったか!と合点したのだった。

エピソードの中には、そういうことは10年間に本当になかったの?と思うものもあったが、のんちゃんとリツコは本当にベストパートナーなんだと思えたのでオールオーケーなのだった。

カフェでカフィを (2)

  • 作者:ヨコイエミ
  • 出版社・レーベル:集英社マーガレットコミックス (Kindle)
  • 評価:★★★★★

こういうコミックは何度も繰り返し読みたいよなー
やさしい世界だ。こんなすてきな場面ばかりだったら世界は平和だよ。

KOBAN (0)~(1)

  • 作者:石川チカ
  • 出版社・レーベル:幻冬舎バーズコミックスデラックス (Kindle)
  • 評価:★★★☆☆

今一つギャグが空回りしている感があるのだが、巻が進めばこなれてくるのかな。

KOBAN #0 (バーズコミックス デラックス)

KOBAN #0 (バーズコミックス デラックス)

KOBAN (1) (バーズコミックス デラックス)

KOBAN (1) (バーズコミックス デラックス)

1122 (1)~(4)

  • 作者:渡辺ペコ
  • 出版社・レーベル:講談社モーニングコミックス (Kindle)
  • 評価:★★★★☆(3巻からは★★★★★)

ううう痛いよぅ
セックスレスカップルの話だが、妻は夫の婚外恋愛を認めている、という設定が他とは違うところ。
きっかけは妻の言葉に夫の心が外に聞こえるぐらいにぽっきりと折れたことからだ。
だから妻は夫の恋愛を認めざるを得なくなった。

それでも妻は夫が好きでレスを克服しようとするのだけど、やはりままならず妻もどうしようもない一歩を踏み出すのだ。

一方の夫の方の恋愛も順風満帆ではなくて、決定的な事件が起きてしまう(昭和のあの事件を思い起こさせる)。ここで4巻は終了。

そして、ああ、予想通りの展開が待っているんですね、という5巻の予告。
このあとどう読者の予想を裏切ってくれるのか、楽しみ。

いや、でもこのコミックは激しく気持ちを削られるなー

月刊少女野崎くん (8)~(10)

  • 作者:椿いづみ
  • 出版社・レーベル:一迅社ガンガンコミックス (Kindle)
  • 評価:★★★★☆(3巻からは★★★★★)

修学旅行!!!
野崎くんと千代ちゃんのこれって関係が進んだってことなの?
それよりも堀ちゃん先輩と鹿島くんの関係が濃くなってきていて、これは胸熱。

碧と花電車の街

  • 分類:小説
  • 作者:麻宮ゆり子
  • 題名:碧と花電車の街
  • 出版社・レーベル:双葉社
  • 評価:★★★☆☆

NHKの朝ドラの「ひよっこ」に夢中になったのは昨年だった。
その「ひよっこ」と本書には共通点が多い。

  • 主人公の年齢がほぼ同じ
  • お父さんに問題があった
  • お母さんが働き者
  • 大家さんの名前が「富さん」
  • 近所の人が親切

本書の舞台は愛知県の大須。戦後何軒もあった映画館を中心に発展した街だ。
そこで母と二人で暮らす高校生の碧(みどり)。
この子が健気でいい子なんだ。
そして「ひよっこ」のみね子とは違って碧には夢があった。

母親以外の家族にはめぐまれなかった主人公だったけど、近所の人が助けてくれる。特に富さんのキャラクターがとても魅力的で、これはもう白石加代子さんしか思い浮かばない。あと、山高帽に黒いマントと高下駄を履いた大男の「山高さん」は山内圭哉さんでどうしても再生されてしまう。

碧と花電車の街

碧と花電車の街

まとめて読了(コミック編)

  • 分類:コミック

あそびあそばせ (6)

パンデミック」「茶色の研究」「呪い」が特に笑えた。
特に「呪い」のオリビアの踊りと顔で声を出して大笑いしてしまった。

雑草たちよ 大志を抱け

  • 作者:池辺葵
  • 評価:★★★★★

みんな強くて優しい。
そして勇気がある。
がんばってるな。

日に流れて橋に行く (2)

いよいよ三ツ星呉服店の巻き返しが始まった。
初の女性店員の時子ちゃんもお客さんの心を掴んだし、日本橋開橋式の日の天候も味方して三ツ星呉服店、復活へののろしを上げた!
虎三郎さん、熱い!鷹頭さん、イケメン!
次巻が待ち遠しい。

ひそねとまそたん 名緒のそら

アニメ「ひそねとまそたん」のキャラクター原案の青木俊直によるコミカライズ。
とはいえ、予備Dパイの名緒を中心に描かれており、かつひそまそのストーリーを全部なぞるわけではないらしい(次巻は出ない模様)。

アニメは、ひそねが退官するくだり以外は楽しくそのストーリも絵柄も毎週見ていたので、この中途半端なコミカライズは何の意味が?と思ったが、アニメの作画みたいなコミックなので絵はとってもいいです。小此木さんがかわいいです!

ナビガトリア (1)~(3)

Kindle版1巻が0円だったので、購入したら続きが気になって2巻と3巻も購入。まんまと術中にはまった。

ネカマとは知らず「島根においでよ☆」と中3男子にSNSで誘われ、のこのことそのSNS友に会いに行った30代OLのこより。中3男子をはじめとしてその家族がいい人たちばかりだったからよかったものの、脇が甘すぎる!でもそれがきっかけでその家を守ってきた長男の昭(あき)と出会う。

「ナビガトリア」とは北極星のことで、「家族を導く自分はまるで北極星だ」という昭の述懐による題名。

東京出身のこよりが島根の田舎暮らしになんなく溶け込んでいくのがうらやましくもあり、いやありえんでしょ、とも思うが、悪い人が出てこないコミックの定番展開がやさぐれた心に温かかった。あと昭が男前なのもいい。

アサダニッキの『青春しょんぼりクラブ』も気になる。

うちのクラスの女子がヤバい (1)

評判は2年前から聞いていたものの食指が動かなかった。今回0円になっていたので購入。

無用力という思春期の女子のみに備わるよくわからない能力。それを備えた女子は1組に集められる。

ほんとうにあっても意味のない能力ばかりなんだが、それがきっかけで人間関係が変わっていったり、自分自身も変わったりする。
続きが気になる。
また術中にはまってしまいそうだ。

拝み屋横丁顛末記 (3)

ほんと絵がうまいな~
ちょっと浦沢直樹っぽくもある。
この巻に至っては現拝み屋さんはまったく出てこない。
大家さんの中学の同級生の幽霊が出てくる回は少し泣いた。
自由すぎる平井が面白い。

ふらいんぐうぃっち (1)~(7)

  • 作者:石塚千尋
  • 評価:★★★★★(1巻、2巻は★★★★☆)

アニメ見なきゃー
巻が進むにつれて絵がどんどん安定してきて好みになったので3巻からは★5。
登場人物に女子が圧倒的に多いのは、男性向けだから?ちょっとサービスっぽい構図もあるけど、お話自体にはラブ要素がまったくといっていいほどほとんどなく、だからといって退屈なこともなく、会話がぽんぽんはずんで、気の利いた返しがあって、楽しそうな生活だ。

青森を舞台にしているがばりばりの津軽弁をしゃべるのは、真琴が居候する家のパパさんぐらいで、地方色はあまり感じない。

これも次巻が楽しみ。千夏ちゃんがかわいい。

大奥 (16)

大奥で江戸時代を学びなおす、わたし。

家茂がいい人すぎる。
天璋院がイケメンすぎる。
瀧山が好みすぎる。

時代は幕末へ。勝海舟の江戸弁がかっこいい。
幕末の中心人物が登場するのは次巻かな?来年の夏が待ち遠しい。

ワイルドフラワーの見えない一年

  • 分類:小説
  • 作者:松田青子
  • 題名:ワイルドフラワーの見えない一年
  • 出版社・レーベル:河出書房新社
  • 評価:★★★☆☆

小説やらエッセイやら詩やらをまとめた本で、脈絡がないなと思ったけど、いやこれ、フェミ全開じゃないですか。

「この場を借りて」と「男ならではの感性」「水蒸気よ永遠なれ」

が面白かった。
「男ならではの感性」は男を女に読み替えると成立してしまうところがなんとも。やはり日本社会は...。
たしかに「男ならではの感性を生かした○○」というコピーは見たことがないし、男流作家なんて呼び方はしないよね。
でも逆はある。街の本屋だといまだに「女流作家」を見出しに使っていたりする。

ワイルドフラワーの見えない一年

ワイルドフラワーの見えない一年

メタモルフォーゼの縁側 (2)

  • 分類:コミック
  • 作者:鶴谷香央理
  • 題名:メタモルフォーゼの縁側 (2)
  • 評価:★★★★★

本屋に行ったら出ていたので捕獲。
そういえば1巻の巻末に12月ごろ出るって書いてあったっけ。すっかりチェックから漏れていた。

雪さんのお気に入りの作家さんも参加する展示即売イベントに行くことになった雪さんとうららちゃん。

雪さんは老人ゆえの足腰の弱さから最初は入場さえできないかと思いきや、一度動けるようになると、一人で会場を動き回って気になった薄い本を買ってみたり、お目当ての作家さんのブースにたどりつけたりと、なかなか活動的だ。作家さんにも言いたいことは言えているし、年の功なんかな~

そういやうららちゃんはまだ17歳なんだったわと実感するようなエピソードもあり、またおさななじみへのほのかな想いなんかも感じられて、なんか応援したくなってしまう。

雪さんとうららちゃん以外にも人物が登場してきて、次巻が楽しみだ。

アフター、楽しそうで結構。
わたしがライブやら落語やらいろいろ行っていた頃は、「反省会」って呼んでた。同好の士どうしの会話ってほんとうに楽しいんだよね。


メタモルフォーゼの縁側(2) (単行本コミックス)

メタモルフォーゼの縁側(2) (単行本コミックス)

前略、前進の君

  • 分類:コミック
  • 作者:鳥飼茜
  • 題名:前略、前進の君
  • 評価:★★★☆☆

本屋に行ったら出ていたので捕獲。
鉛筆画と手書きのレタリングに鬼気迫るものがある。
1コマ1コマが大きめなので、あっという間に読めてしまったが、これは何度か読み返さないといけない。多分一度読んだだけでは理解が追い付いていない気がする。

鳥飼茜は『おんなのいえ』と『先生の白い嘘』を読んだけど、この2作の間には広ーい川が横たわっていて、作風も扱う内容もまったく違う。特に『先生の白い嘘』からなのか、描写が実写に近いものになり、女性向けコミックにありがちなイケメンやかわいい子、きれいな子ばかりが出てくる作品ではなくなっている。

『前略、前進の君』で描かれる女子も男子も実際の肉感が感じられる造形となっていて、「作品」というのにふさわしいと思う。

女子高校生が徒党を組んで、自分たちと違うことをしようとするクラスメートに「付き合いワリー、なんなの?」と言い放つあたり、ほんとまじ死んでと思ってしまった。今そういう集団に入れられたらわたしはたぶん生きていけないだろう。

前略、前進の君 (BIG SPIRITS COMICS SPECIAL)

前略、前進の君 (BIG SPIRITS COMICS SPECIAL)

アマルフィ

映画『アマルフィ 天使の報酬』のプロットを元に書かれた小説で、映画のWikipediaのページを見るとかなり設定やらいろいろ違っているのがわかる。

小説は、外交官の黒田康作がまるで刑事のように活躍するエンタメ。
キャリアウーマンの女性が9歳の娘とイタリアに旅行に来たが、ホテルで娘が誘拐される。おりしも日本の外務大臣のイタリア訪問と時期が重なっていた。当初外相のお世話役の領事として派遣された黒田が、邦人誘拐のほうにかかりきりとなる。

この黒田が、事件に巻き込まれた女性の夫役として移動に同行したりするんで、
「ほーん、それじゃ、黒田とこの女性の間にラブが芽生えるわけね」
と思いながら読み進めたわけだが、そんな展開は...

映画の主演が織田裕二だからなのかなんなのか(当て書きみたいなものなんで、どうしても小説を読んでても黒田は織田裕二になってしまう)、いやハードボイルド風なんでラブ要素は要らないのか。警察小説だと事件の発端・捜査から事件解決といった職務を全うしようとする刑事の活躍だけの描写で満足するのに、主人公が刑事以外の事件ものだとなぜかラブ要素を期待してしまうのであった。

不満があるとしたら、登場人物の容貌や服装など外見についての記述が少ないことだ。黒田の身長がどのぐらいで、どんなスーツを着てアマルフィの街を駆け回ったかしりたいじゃないか。

小説の続編は
天使の報酬 外交官 黒田康作 (講談社ノベルス)』『アンダルシア 外交官 黒田康作 (講談社ノベルス)』とあと2作出ている。