物語消費しすぎ地獄へようこそ

何かしら作られたもの、作られてしまうもの=物語を消費せずに一日を終われない。

月のふりかえり 5月~小説・ノンフィクション編

GWだったね~

  • 分類:小説
  • 作者:里見蘭
  • 題名:古書カフェすみれ屋と本のソムリエ
  • 出版社・レーベル:だいわ文庫
  • 評価:★★★★☆

30代半ばの女性のすみれが営むすみれ屋は住宅街の中にあるカフェで、中に古本屋を併設している。
その古本屋の責任者は20代後半の神野くんという青年で、この人が「本を買ってくれ」と言ったときに日常の謎が解ける。
すみれ屋の料理がかなり手間がかかっていて、紙幅を大きく割いている。ライト文芸ど真ん中な題材とストーリーだなと思った。
何も考えずに読める話で、頭がからっぽになってよかった。
続編が2冊出ている。

  • 分類:ノンフィクション
  • 作者:二宮敦人
  • 題名:最後の秘境 東京藝大: 天才たちのカオスな日常
  • 出版社・レーベル:新潮文庫
  • 評価:★★★☆☆

著者は小説を先に書いていて本作が初めてのノンフィクションだったらしいが、きっとノンフィクションの方が向いているのではないかと思う。
話題になったラノベを読んだときにひどい目に遭ったのを思い出したが、本作では文章に対する違和感は感じなかった。新潮社だからかな。

本作は話題になったノンフィクション。
東京藝術大学に学ぶ学生とOB、OGの生態を描いている。
思うに京都大学も全然別の方向に同じぐらい変な人が多いのではないかと思う(もりみんの小説なんかからの印象)。
芸術を志す人と学問を究めようとする人、どちらも独特でおもしろいのではないか。
ただ東京藝大は外に向いている印象がなく、それをつまびらかにしたから受けたのだろうと思う。
著者の心の中でのつっこみがちょっと好きになれなかった。

↓も積んでいたわ~

  • 分類:小説
  • 作者:津村記久子
  • 題名:ミュージック・ブレス・ユー!!
  • 出版社・レーベル:角川文庫
  • 評価:★★★★★

高校3年生のお話。
アザミは音楽なしで自分を保っていられないほど音楽を聞くパンクスの女の子。バンドでベースを弾く。背が高くて髪を赤く染めていて歯列矯正中。
チユキはアザミの気の合う同じ高校の数少ない友だちの一人で、小柄、モノトーンの服をよく着ている。
チユキは女子をあなどるような態度をしてくる男子を許すことができなく行動に移してしまうタイプなのに対し、アザミは心の中で考えていることを表に出すのが不得意だ。なので流されているように見えて実は言いたいことがあふれているのにその表現方法がみつからないという女子である。
海外のブロガーの女子が友だちを亡くしたときに何かしてあげなくてはと考える姿に胸を打たれた。

本作は青春ものの皮をかぶったフェミニズム文学ともいえると思う。
登場人物に幸あれかし、と願わずにいられなかった。