安定の横山秀夫。
鑑識課で似顔絵捜査官として捜査をしていた女性警察官が、描いた似顔絵で犯人が捕まったものの犯人の顔と似顔絵がまったく似ていないという不都合な状況に陥り、上司の指示のもと犯人に似せた似顔絵を描き直しさせられた。しかしそれが元で休職することになり、復帰後配属された部署で無力感にさいなまれながらも事件の推理をするという話(解決でないところが現実っぽい)。
まだ20代前半の主人公の性格がうじうじしていて、これは付き合うのが難しそうだと思ってしまった。
警察組織の中では彼女のような潔癖さは負にしか働かないのではないか。
タリバンがアフガニスタンの実権を握った。
以前のタリバンと今のタリバンが同じなのか違うのかまだわからないことが多いので、アメリカ駐留前のタリバンを知るために本書を読んだ。
タリバンとは「神学生たち」という意味で当初は十数人しかいない組織だった。ソ連侵攻から内戦が続いていたアフガニスタンでトラブルを次々と解決していく彼らのもとにどんどん人が集まって大きな組織になった。
タリバンが首都を陥落させたときには政治に興味がなく、政権を掌握することは考えていないと表明したにも関わらず、その後タリバン政権が誕生した。
その経緯と、急激に過激化するタリバンが大仏破壊をしてしまった理由と911アメリカ同時多発テロの発生の関係をわかりやすく解説してくれるのが本書である。
もちろんそのキーワードは、タリバンのリーダーだったオマルとビンラディン(アルカイダ)なわけだけど、やっぱり教育は大切だと思った。
オマルは十分な教育を受けておらず、それをこじらせていてそこに付け込んだのがアラブ人のビンラディンだった。
ニュースで勧善懲悪省が復活したと聞いたが、タリバン政権が勧善懲悪省を完全に管理できていればいいと思うけど、実際はどうなのかな。