物語消費しすぎ地獄へようこそ

何かしら作られたもの、作られてしまうもの=物語を消費せずに一日を終われない。

乱舞

  • 分類:小説
  • 作者:有吉佐和子
  • 題名:乱舞(みだれまい)
  • 評価:★★★★☆

『連舞』の続編だが、本書だけ独立して読んでも問題ない構成。

『連舞』から12年ほどたった日本舞踊の梶川流の跡目争い。
家元になりたがりが何人も出てきてそれぞれが画策しているなか、家元未亡人の秋子が流派をまとめていく。
母親から踊りは向いていないと陰で言われていたのを聞いて落ち込み、影の存在になっていた秋子が踊りの才能を開花させて自信を取り戻していく様が小気味よい。
非常にわかりやすい筋立てと硬派な文章で、エンタメとして楽しめた。