物語消費しすぎ地獄へようこそ

何かしら作られたもの、作られてしまうもの=物語を消費せずに一日を終われない。

月のふりかえり 2021年7月~コミック編

  • 分類:コミック
  • 作者:池辺葵
  • 題名:ブランチライン (2)
  • 出版社・レーベル:祥伝社FEEL Comics Swing kindle
  • 評価:★★★★☆

だんだんと中心人物(4姉妹+そのお母さん+甥っ子<4姉妹長女の子>)の背景が明らかになっていて、どうしてそうなったのかがわかってきた。

  • 分類:コミック
  • 作者:びっけ
  • 題名:王国の子 (2)
  • 出版社・レーベル:講談社ITANコミックス kindle
  • 評価:★★★★☆

英国のテューダー朝をベースにした話。無料で購入できた時に買ったもの。
これは小説にしたら重厚でいいものになっただろうと思う。

  • 分類:コミック
  • 作者:ヨンチャン、竹村優作
  • 題名:リエゾン ーこどものこころ診療所ー (4)
  • 出版社・レーベル:講談社モーニングコミックス kindle
  • 評価:★★★★☆

あまりよろしくないメンタルクリニックが出てきたり、なかなかに不穏。
不良少年は治療で更生できるのか。メンタルクリニックの看護師の女性が、同じ集合住宅に住む乳児の泣き声に耐えかねてベビーカーを上層階から放り投げたという未成年の少年を気にかけるが、自分の子をその子にあずけて買い物に行くことができなくて、看護師としての建前と母親としての本音の間で思い悩む。ありそうなことだけに非常にひきつけられる話だった。

やばい、これは変な汁が頭の中に出るような話だ。
絵がとてもうまい上に、キャラクターも魅力的(ただし女性は微妙な絵柄になっている。BLだから仕方ないか)。
いよいよ10DANCEの本編とも呼ぶべき章に進むようだ(ひっぱるね~)。

  • 分類:コミック
  • 作者:Cuvie
  • 題名:絢爛たるグランドセーヌ (18)
  • 出版社・レーベル:秋田書店チャンピオンREDコミックス kindle
  • 評価:★★★★★

奏のロイヤルバレエ団での生活が続く。いよいよ劇場での「くるみ割り人形」の公演にネズミ役として舞台を踏むまでに。
そしてスクールの生徒の一人が振り付けたコンテンポラリーダンスの発表もあった。
ドイツに留学しているさくらちゃんは子どものときからそのストーリーに納得できなかったシンデレラを踊ることになる。
芸術を志す少女たちがまぶしいよ。

劇画調の絵柄なのにどこかおかしい感じがする。
オダギリジョーの主演でドラマにもなってるんすね。
反社との関係が深そうな社長がこわい。

www.tv-tokyo.co.jp

  • 分類:コミック
  • 作者:泰三子
  • 題名:ハコヅメ~交番女子の逆襲~(4)~(9)
  • 出版社・レーベル:講談社モーニングコミックス kindle
  • 評価:★★★★☆(6巻,7巻,9巻は★★★★★)

絶賛ドラマ放映中の原作。
コメディ回とシリアス回のギャップがすごい。作者は元警官らしくて、リアリティがある(と感じる*1)。
警察官は二人組であるのが基本らしく、相方を「ペアっ子」と呼ぶのがかわいい。
ドラマは1話を見たが、原作読み終わってから続きをみようと思っている。ドラマも好評だね。
ドラマでは、もじゃツンペアの源がイケメンすぎる(三浦翔平)けど、山田の配役(山田裕貴)は絶妙だと思う。主人公二人はさらなり。

www.ntv.co.jp

*1:中にいたことがないし、逮捕歴もない。交番も1回か2回ぐらいしか入ったことがないから本当のことがまったくわからないので。

月のふりかえり 2021年7月~小説編

  • 分類:小説
  • 作者:ほしおさなえ
  • 題名:金継ぎの家 あたたかなしずくたち
  • 出版社・レーベル:幻冬舎文庫
  • 評価:★★★☆☆

幻冬舎文庫のキャラノベと帯にあったけど、キャラノベと呼ぶには内容が地味、というかキャラノベって?

「キャラノベ」とは、エンターテインメント小説のなかでも、読みやすい文体や言葉遣いで書かれ、舞台や人物がマンガ的に誇張されている作品のこと。ファンタジックな要素などが加味されているものの、現実社会に基づいた世界観を持つため、大人でも親しみやすい。従来の一般文芸とライトノベルの中間にある、新たなジャンルと位置づけることができそうだ。

マンガのような主人公が活躍、「キャラノベ」が人気のワケ|NIKKEI STYLE

主人公は高校生の女の子だと思うけど、そのおばあちゃんも中心人物。言動は別にコミカルでもないし、人物造形もいたって普通の人たちである。ストーリーの中心は家族のルーツにまつわるものや、おばあちゃんが心にひっかかっていたことを知りたいというもので、その中で10代の女の子が将来に対して少し悩んだりする。突飛な展開もエキセントリックな人物や美男美女の登場人物も出てこなかった。キャラノベにはあたらないと思った。

この先がありそうな感じで終わってしまったという印象。ほしおさなえの小説は好きだがこれはちょっと消化不良だった。

月のふりかえり 2021年6月~コミック編

  • 分類:コミック
  • 作者:水野美波
  • 題名:恋を知らない僕たちは (11)
  • 出版社・レーベル:集英社マーガレットコミックスDIGITAL kindle
  • 評価:★★★★★

完結。
全員が収まるところに収まってよかったよかった。
元カレに対する態度がつい出てしまう小春ちゃんが自分を取り戻すところがよかった。

  • 分類:コミック
  • 作者:かねもりあやみ/久住昌之
  • 題名:サチのお寺ごはん (9)
  • 出版社・レーベル:秋田書店A.L.C. DX kindle
  • 評価:★★★★☆

源導さんとサチはいずれ恋人同士になるんだろうとおもうけど、9巻はあまり進展なし。10巻に期待(来年かー)
源導さんは檀家の女性とデート。唐丸くんは現実にいたら相当うざい部類。

真琴の里帰り。
都会での魔女の仕事は豪徳寺と思われるお寺で。
招き猫に囲まれる恐怖!
このコミックは恋愛沙汰がまったくなくて、それがまたいいよね。

6月はドラマにかまけていて3冊きりだった。

完走 2021年春ドラマ・アニメ

最近は7月に入って一斉に初回、という感じじゃないのね。

ドラマ

半径5メートル

NHK総合金曜日夜10時

週刊誌の芸能記事担当だった芳根京子演じる主人公が張り込みでしくじって2折と呼ばれる生活情報班に回される。
そこで取材を重ねていくとともに主人公も成長していくというストーリー。
現代社会で話題になっている事案をうまく取り入れていた。

主人公となし崩し的に半同棲状態になっていく恋人的な男(毎熊克哉)が徹頭徹尾クズな感じだったことばかりが印象に残った。

www.nhk.jp

着飾る恋には理由があって

TBS系火曜日夜10時

夏川結衣演じるフードスタイリストの住む家がとてもすてきで、あと飼い犬のボーダーコリーの麹がかわいいドラマだった。
出てくる人全員が美男美女で、ファンタジーとして楽しんだ。
主人公は雑貨店を展開する会社で広報として働く20代女子で、SNSではフォロワー10万のインフルエンサーでもある。いつもスマホを手放さない毎日毎時間がとても気の毒でならなかった。あと、画家の女性が自分勝手すぎて引いた。
終わってみればどこかで見たようなドラマで、新鮮味はなかった。

www.tbs.co.jp

大豆田とわ子と三人の元夫

フジテレビ系火曜日夜9時

トレンディドラマが現代の価値観で作られるとするとこんな風みたいな感じというようなドラマだった。
主人公の女性は設計事務所の社長だし、その元夫たちもバーの経営者、プロの写真家、弁護士とハイクラスな人ばかり。
娘も私立に通っているみたいだし、庶民はいないかと思ったら主人公の友だちだけで、それも途中で突然死してしまった。
坂元裕二らしいひっかかりのあるセリフ回しがくどいところがよかったけれど、ドラマとしては私はあまり楽しめなかった。

www.ktv.jp

ソロ活女子のススメ

テレビ東京金曜日深夜0時52分

江口のりこ主演の30分ドラマ。出版社で契約社員として働く40歳の主人公が、毎週ひとりでいろんなことを体験するという話。
どの体験も実在もので、最後にその紹介がある。「孤独のグルメ」の「体験版」みたいな感じ。

主人公は最初の方は完全に自分一人で楽しむことだけを目的としていたのが、経験を重ねることでその場で出会う人とちょっとだけ交わす言葉や、仕事場で自分の体験を話すことで、外にひらいていく自分を自覚する。

わたしも外出するときたいていはひとりなので、この状況がどうにかなったら試してみたいと思うことがあった。
高級レストランでのぼっち飯。これはやってみたい。

www.tv-tokyo.co.jp

コントが始まる

日本テレビ系土曜日夜10時

恋愛が主軸ではない青春ドラマ。きょうだいや親子、恋人、職場の人間関係、コントグループのメンバー関係、マネージャー、さまざまな人間関係を描きながら、その主軸はモラトリアムの終焉だった。
金子茂樹の脚本と聞いて、「俺の話は長い」がすごく好きだったのでこれは絶対見ようとおもっていたのだった。
ところで、マクベスのコントはおもしろいところが一個もなかった。

www.ntv.co.jp

珈琲いかがでしょう

テレビ東京月曜日深夜0時6分

コナリミサト原作コミックの映像化。主演は中村倫也。今季の中村倫也はこれと「コントが始まる」に出演した。
キッチンカーでドリップコーヒーを売る主人公はかつてはヤクザの手先となっていた。そのため途中に挟まれる過去の主人公のすさんだ様子とコーヒー屋の様子が正反対で、中村倫也ならではの演技が堪能できる作品だった。

www.tv-tokyo.co.jp

きれいのくに

NHK総合月曜日夜10時45分

美容整形が行き過ぎた日本。男は稲垣吾郎、女は加藤ローサの顔になっている人がほとんどの社会では、美容整形は法律違反となっていた。
そんな日本で高校生活を送る男女の話が主題。
高校生の役をやった俳優たちが自然で、SFものとして出色だった。
前半の吉田羊パートと後半の高校生パートの関連が正直わかりにくかったので、解題の回がほしかった。

www.nhk.jp

リコカツ

TBS系金曜日夜10時

山で遭難した主人公の30代女性がたすけてくれた自衛隊員と恋に落ちて結婚するが、男尊女卑的価値観の家庭で育った夫と価値観がことごとく合わずに離婚をする。そしてそこからお互いを知るようになるというストーリー。
主人公カップルだけでなく、主人公の両親、姉夫婦、夫の両親と周りのカップルがみな離婚に進んでいってしまう。
永山瑛太が無理やり低い声を出していたのにすごく違和感を感じたが、最後は収まるべきところに収まって大団円だった。何も考えずに見られたドラマだった。

www.tbs.co.jp

イチケイのカラス

フジテレビ系月曜日夜9時

コミック読んだ勢としては、この改変はちょっと度し難いものだったが、制作が言う「ファンタジー」として見ればエンタメに振り切った演出が功を奏して面白いドラマだったとおもう。

コミックでは「ぼしっぼしっ」と歩きスナック大好き小太り男の入間みちおがイケメン(竹野内豊)、しゅっとしているが鳥っぽい見た目の真面目男坂間が四角四面で真面目一辺倒の女性(黒木華)になったのが不満でもあったが、実は一番おもしろい部長裁判官を予想通り小日向文世が好演したのはよかった。ただゆるふわ書記官が出てこなかったし、新田真剣佑のガタイがいいのがすごく気になったし、なんであんなに坂間に執着するのか意味不明ではあった。

部長の出した同人誌についてはやっぱり坂間っちは買うべきだったと思う。

www.fujitv.co.jp

生きるとか死ぬとか父親とか

テレビ東京金曜日深夜0時12分

原作はジェーン・スー。主役を演じた吉田羊が、原作者に言わせると歩き方やらラジオのブースにいるときの様子とかとにかく原作者に寄せてきていて、女優すごいということらしい。このドラマが放映中にジェーン・スーが誕生日を迎え、その日の「ジェーン・スー生活は踊る」の放送中に吉田羊がお祝いに来た場面をradikoで聞いていた。人間としても素晴らしい人なんだとおもった。

一癖も二癖もある父とのいい距離感を保つ主人公だったけど、60代で亡くなった母親のことを考えると自分の中のモヤモヤが晴れない。それをエッセイに書くことで折り合いをつけていくというのがとてもリアルで、たぶん見た人はそれぞれの家族のことを思ったことだろう。
とてもよかったので原作も買った。

www.tv-tokyo.co.jp

アニメ

ましろのおと

TBS系土曜日深夜1時55分

津軽三味線を弾く主人公が師である祖父の他界をきっかけに青森を出る。ねじ込まれた高校で津軽三味線同好会に加わることになり、仲間とコンクールに出るという話。
主人公の出自が明らかになって、さてこれから何が起きるかというところで今クールは終わってしまった。「この音とまれ」のアニメのときにおもったことと同じで、物語の冒頭だけを描いただけだなと。コミックも連載中だし、これで続きがないと暴れるぞ。第2期お待ち申し上げてまーす。

mashironooto-official.com

フルーツバスケット The Final

テレビ東京月曜日深夜1時30分

第3期。過去のアニメでも描かれなかった完結篇である。
エンディングを見れば最後はどうなるのかわかるというものだ。
夾くん推しの身としては本当によかったなーとおもう。
今期は透は泣いてばかりいたような気がする。

透の両親の話がアニメ化されるそう。

fruba.jp

もうPrime Videoだけでいいんじゃないか(いやよくない)

Prime Videoの7月配信予定情報を見て、もうこれはPrime VideoだけあればHuluはいいんじゃないか、と思いかけたけど、いやHuluはハンドメイズ・テイルが完結するまでは契約しておくつもりなのだった。

そんで7月配信コンテンツから見るのはこれ。

■邦画

2021年7月1日(木)
  • 『太陽は動かない』※吉田修一原作のスパイ小説の映画化
2021年7月28日(水)
  • 『新聞記者』※元新聞記者 望月衣塑子による同名の新書を原案にした映画

■洋画

2021年7月8日(木)
  • 『ジョーカー』 *独占配信
2021年7月14日(水)
  • 『EMMA エマ』 *独占配信
2021年7月18日(日)
  • 『アド- アストラ』 *独占配信
2021年7月23日(金)
2021年7月30日(金)

■TVアニメ

2021年7月13日(火)
  • 『うらみちお兄さん』※待ってた~~~!

uramichi-anime.com

月のふりかえり 2021年5月~コミック編

ジャンプコミックスでしかも文字の多いこのコミックを読むととたんに老眼を実感してしまう。

  • 分類:コミック
  • 作者:はるこ
  • 題名:酒と恋には酔って然るべき (6)
  • 出版社・レーベル:秋田書店 A.L.C. DX Kindle
  • 評価:★★★★☆

イケメンで趣味も合う彼氏がニューヨークに旅立ってしまったが、その彼氏と仲の良い女友達がルームシェアしていると知ってもやもや。
でもって、年下の同僚がアプローチかけてきて、これはまだまだ続きそうだと思った6巻。

  • 分類:コミック
  • 作者:岩本ナオ
  • 題名:マロニエ王国の七人の騎士 (5)
  • 出版社・レーベル:小学館 フラワーコミックスアルファ
  • 評価:★★★★★

獣使い編完結。切ないですな。

  • 分類:コミック
  • 作者:ヨンチャン 竹村優作
  • 題名:リエゾン ーこどものこころ診療所ー (2)
  • 出版社・レーベル:講談社 モーニングコミックス Kindle
  • 評価:★★★★★

子どものこころのケアで避けて通れない虐待をテーマとした回は読んでてつらかった。

  • 分類:コミック
  • 作者:山田金鉄
  • 題名:あせとせっけん (11)
  • 出版社・レーベル:講談社 モーニングコミックス Kindle
  • 評価:★★★★★

やっぱり結婚で完結でしたね。
大団円。

  • 分類:コミック
  • 作者:田村茜
  • 題名:モブ子の恋 (10)
  • 出版社・レーベル:コアミックス ゼノンコミックス Kindle
  • 評価:★★★★☆

ゆっくりすぎるぐらい仲を深めていく二人がかわいらしい。
そうこうしているうちに大学3年生になり、就活に巻き込まれていくなかでどうなるか。

TBSラジオのたまむすびで紹介されて面白そうだったので読んだもの。
商店街にある普通の喫茶店が舞台のコメディ。ふふっと笑ってしまう話ばかり。
意識高い系カフェのオーナーが己の意識の高い感じに辟易したときに、この喫茶アネモネでどうでもいい感じで出されるコーヒーを飲んでまた意識高いままでいようと決意するあたりが特におかしかった。

  • 分類:コミック
  • 作者:荒井ママレ
  • 題名:アンサングシンデレラ 病院薬剤師 葵みどり (6)
  • 出版社・レーベル:コアミックス ゼノンコミックス Kindle
  • 評価:★★★★★

葵みどりが産科担当になってからの話。
入院経験のない自分には新鮮なことがたくさん描かれている。
病院で患者に接する頻度は看護師、医師、検査技師が多いので、病院薬剤師の仕事はなかなか表に出てこない。
今日日インターネットで薬剤や治療法について知ることができるので、薬剤師はやりにくいだろうなと思う。

祝 名人防衛!
将棋のプロ棋士渡辺明名人の日常コミック。
将棋の研究にまい進する天才が、ぬいぐるみを愛する大人子どものような人だったとは。
作者は渡辺名人の奥さん。
これは続きを読みたい。

もう20巻。遺伝性のガンの話はまだまだ続いていて、出張続きの岸先生のその出張の中身がわかる。プロフェッショナルだー
そして壮望会病院に赴任してきた新しい研修医が波乱を呼ぶ。
もう、ずっと続いていてほしいコミック。次巻が待ち遠しくてたまらない。

境界性人格障害の巻。
ヨワイ先生の過去が見えてきた巻。

  • 分類:コミック
  • 作者:小玉ユキ
  • 題名:青の花 器の森 (7)
  • 出版社・レーベル:小学館 フラワーコミックスα Kindle
  • 評価:★★★★★

ようやく恋人になった青子と龍生。
でも龍生がフィンランドには1年で帰ると言っていたことを考えてしまう青子。そこに龍生にフィンランドから仕事に依頼があり1か月だけ戻るという。
前巻で元カレが1か月だけと波佐見を離れてそれが別れにつながった青子には悪い予感しかない。
それを知って龍生はフィンランドには戻らないと言うけど、それはそれで龍生の未来をつぶすようでもある。
小玉ユキはいいよね~

  • 分類:コミック
  • 作者:和山やま
  • 題名:女の園の星 (1)
  • 評価:★★★★★
  • 題名:女の園の星 (2)
  • 評価:★★★★★
  • 出版社・レーベル:祥伝社 フィールコミックス

題名の「星」は主人公の教師の苗字。それを知らないでこの題名を見るとSFかな?と思いそう。

評判にたがわぬ面白さ。
中村先生がすごく気になる。

月のふりかえり 2021年5月~小説編

今月読んだ小説は2冊きり。

表題作の映画を見て手に取った本。
物理学や数学をモチーフにした短編はかなり手ごわくて、ちゃんと理解できていないと思う。

それと表題作は、映画を見ていなかったらたぶん半分もわからなかったと思う。
異星人の言語を知ることで夢のような、悪夢のような能力を手に入れてしまうが、それでも人生を「前に向かって」進んでいこうとする主人公の強さがかっこよかった。

「地獄とは神の不在なり」の、天使の降臨が普通にある世界や、「顔の美酷について-ドキュメンタリー」で顔の美醜だけがわからなくなる外科的処置が普通にできるようになった世界など、現実だったらどうかしらと今も考えてしまう。

「顔の美酷について-ドキュメンタリー」は次が最終回のNHKドラマ「きれいのくに」と世界観が似ている。ドラマの制作者はきっとこの小説を読んだに違いない。

  • 分類:小説
  • 作者:仲野芳恵
  • 題名:幸福な星
  • 出版社・レーベル:日本経済新聞出版
  • 評価:★★★☆☆

知能や記憶力を高めるためのチップを子どもに埋め込むことを国家として推進している国に生まれた人たちのなかにも、その外科手術に適合しない人たちがいる。
ナチュラルと呼ばれるその人たちは、そうでない非ナチュラルと比べ、貧困を余儀なくされ、社会的地位も低い。
そんなナチュラルの主人公・キカとその友達のメイの話。

設定が面白そうだったので買ったのだが、中心人物とその周辺の話で終始してしまっているのが残念だった。
分断社会を生きる恵まれない人の独白が小説になっている作品でも、その世界がどう動いていくのかマクロの視点を内包している作品がある一方で、登場人物の感情だけを表現するような本書みたいな小説にはちょっと食い足りなさを感じてしまった。