物語消費しすぎ地獄へようこそ

何かしら作られたもの、作られてしまうもの=物語を消費せずに一日を終われない。

碧と花電車の街

  • 分類:小説
  • 作者:麻宮ゆり子
  • 題名:碧と花電車の街
  • 出版社・レーベル:双葉社
  • 評価:★★★☆☆

NHKの朝ドラの「ひよっこ」に夢中になったのは昨年だった。
その「ひよっこ」と本書には共通点が多い。

  • 主人公の年齢がほぼ同じ
  • お父さんに問題があった
  • お母さんが働き者
  • 大家さんの名前が「富さん」
  • 近所の人が親切

本書の舞台は愛知県の大須。戦後何軒もあった映画館を中心に発展した街だ。
そこで母と二人で暮らす高校生の碧(みどり)。
この子が健気でいい子なんだ。
そして「ひよっこ」のみね子とは違って碧には夢があった。

母親以外の家族にはめぐまれなかった主人公だったけど、近所の人が助けてくれる。特に富さんのキャラクターがとても魅力的で、これはもう白石加代子さんしか思い浮かばない。あと、山高帽に黒いマントと高下駄を履いた大男の「山高さん」は山内圭哉さんでどうしても再生されてしまう。

碧と花電車の街

碧と花電車の街